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第4話 点火系の話し

一般的なガソリンエンジンの場合圧縮した混合気に電気的に点火をして爆発させます。

今回は、今回はこへ辺のうんちくです。

ポイント式点火装置の原理

まずは基本的なポイント式の回路で原理を説明します。

一次回路(青色の回路)

バッテリーの+からコイルに入りポイントにつながっているのが一次回路です。

エンジンの回転(緑矢印)によってデスビキャップ内のカムが回転して、ポイントの電極を開けたり閉じたりします。

この開閉によりバッテリーからコイルの一次側に12Vの電圧が掛かります。

二次回路(赤色の回路)

一次回路によってコイル内の一次コイル(青色)に12Vが加わります。

すると電磁誘導作用(昇圧)によって2次コイル(赤色)に数百〜数千V電圧が発生します。

この昇圧された電圧がコイルからデスビカバー内のローターによって各気筒に切り替え各気筒のプラグに流れて点火します。

以上の方法で点火に必要な電圧を発生させています。

ポイント式点火回路の弱点

しかし現在ではポイント式の点火回路を搭載している車は、ほとんどありません

理由として何点かの弱点があるからです。

○ポイントの劣化

一次回路のポイントには結構な電流が流れる為ポイントの電極が痛んだり磨耗して、電流が流れ難くなったり点火のタイミングがずれてしまいます。

その為、定期的に確認と交換が必要になります。

○ポイントのチャタリング

ポイントの開閉はデスビの中のカムによって行われます。

しかし高回転までエンジンを回すとこのカムの動きに対してポイントの開閉が間に合わない状態となってしまいます。

つまりのポイントのチャタリング(暴れ)を起こし、結果的に正常な点火が出来なくなってしまいます。

○高回転時のコイルの電磁誘導効率ダウン

一次側の12Vの電圧によってコイルにて発生する二次電圧ですが、これも回転数が上がると周波数が上がって来ると問題が発生します。

コイルの性質として高い周波数に対して抵抗(自己誘導作用)となってしまうのです。

その為、2次側の電圧が下がってしまいます

それら問題点を解決する為に登場したのが、電子式の点火装置です。

フルトランジスタ式点火装置の原理

現在主流となっているフルトランジスタ式点火の基本的な回路を説明します。

二次回路(赤色の回路)については、ポイント式と同じです。

大きく変わっているのが一次回路のポイントがセンサーマグネットに変わっています。

ローターに付いたマグネットがセンサーの上を通過する事によって信号が発生します。

この信号をフルトランジスタ点火装置(フルトラ装置)のスイッチング回路に入力されます。(桃色の回路)

するとこのタイミングに合せトランジスタのON/OFFが制御され、一次回路(青色の回路)のコイルに12Vが印加される訳です。

フルトランジスタ点火装置のメリットとデメリット

現在の車の主流として採用されているフルトランジスタ点火装置ですが、当然ポイント式点火装置に対して大きなメリットがあります。

○メリット

フルトランジスタ点火装置の場合、点火タイミングの検出はローターに組み込まれたマグネットがデスビに搭載されたセンサーの上を通過する事によって検出します。

従来のポイント対して非接触の為磨耗等の経時変化が発生しませんし、高回転時のずれもありません。

そういう意味では検出部について理想的な機構と言えます。

○デメリット

しかしコイル部に関してはポイント式と同じで、コイルの自己誘導作用による高回転時の効率の悪化の問題は解決できていません。

CDI点火装置の原理

上記フルトランジスタ点火装置のデメリットを解決したのがCDI点火装置です。

検出部についてはフルトランジスタ式点火装置と同じです。

違いはコイルに掛ける電気が違います。

従来の点火方式では基本的に一次コイルの電圧は12Vですが、CDI点火装置の場合は昇圧回路によって200V(物によって違うみたいですが)程度の電圧を作り、これを一旦コンデンサ(Capacity)に充電(Discharge)した後にサイリスタ(ダイオードの一種でスイッチみたいな物)によって、一気にコイルに流します

すると電気が流れにくいコイルですが一気に高電圧を掛ける事により、二次コイルにより高い電圧を発生させる事が出来ます。

その為、高回転時でも安定した点火が行われる訳です。

ちなみにCDIとは”Capacitive Discharge Ignition”の頭文字です。

CDI点火装置のメリットデメリット

フルトランジスタ点火装置を超える能力を持つCDI点火装置ですが、これにもメリット/デメリットがあります。

○メリット

二次回路に掛かる電圧が飛躍的に高く、また高回転まで安定しておりなり着実な点火が期待できます。

また追加効果として高電圧による点火によるプラグのセルフクリーニング(汚れにくい)もあります。

○デメリット

強力な点火が出来るCDI点火装置ですが性格上点火時間が非常に短い特徴があります。。

高回転時には良いんですが、低回転では短すぎ全体の混合気が燃焼しきる前に失火してしまうようです。

そうすると低回転時の不完全燃焼となり、パワーダウン/燃費の悪化等発生してしまいます。

つまり低回転時にはこの長い燃焼時間に対して、長い点火時間が必要となってきます。

この低回転時のデメリットがありますが、それを上回る高回転時のメリットを考えると点火装置としては現在CDI点火装置が最も良いとされています。

MDI点火装置の原理

CDIの低回転時の点火時間が短いのに対して対策されたのが、MDI点火方式です。

基本的な原理はCDI点火方式と同じなんですが、大きな違いは使用する回転数によって点火回数を変更しています。

具体的には

・低回転域(〜2000rpm):点火回数3回

・中回転域(〜6000rpm):点火回数2回

・高回転域(7000rpm〜):点火回数1回

を自動的に変更してくれます。

特に低回転時はCDI点火装置の所でも説明しましたが燃焼時間が長い為CDI点火装置では失火してしまうんですが、MDI点火装置の場合この低回転域では3回点火する為、十分な燃焼がなされます。

つまりMDIとはCDIの点火時間が短い事を回数を増やす事にて解決した訳です。

ちなみにMDIとは ”Multiple Discharged Ignition system”の頭文字です。

MDI点火装置のメリット/デメリット

理論的には今現在最も優れた点火装置の一つのようです。

したがって点火系としては理想的なようで、これがメリットのようです。

またデメリットとしては点火装置としてかなり高価(@\55,000)な所です

またCDI点火装置でもそうなのかも知れませんが二次電圧が高い為、純正のプラグコードではリーク(漏電)してしまう様で専用のプラグコードへの変更も必要なようです・・・

(この辺はリークだけではなく、静電容量に観点からも必要性があるみたい・・・詳しくは?です)

つまりお金が掛かる訳です(~_~)

トレノ君の点火装置は・・・?

エンジン関係は結構手の入っているトレノ君ですが、実は点火系はフルノーマルのポイント式点火装置です。

またあまり手が入っておらずプラグコード/デスビカバーの接触不良等、結構電気系のトラブルが発生しています。

将来的に購入を検討していたMDIですが、上記トラブルもあり結局ヤフオクにて中古を購入してしまいました。

取付けについては別途改造日記にて紹介しますが、いきなり最終形の点火装置となりそうです。

今まで古い車に乗ってきて”電気系は新しいのが必ず良い”との信念もあり、良いかなと思います。

その効果を含め別途レポートしたいと思います。

点火装置としては以上ですが、点火を司るファクターとしてはもう少しあります。

もう少しまとめて見ます。

プラグの話し

強力な点火を得る為にはプラグの機能も重要になります。

まずはトレノ君に使用できるプラグの一覧です。

【NGKプラグ一覧表】

○標準プラグ

・熱価

同じ2T-G搭載でも年式によって若干の種類の違いがあります。

TE27標準のBP6EAに対して2T-GEU搭載のTE61ではBP5EAが指定となっています。

この6と5の違いはプラグの熱価の違いです。

燃焼時の熱はプラグを伝わってシリンダーに逃げる訳ですが、その熱をプラグが逃がす事が出来る性能を熱価で表します。

番数が小さい(焼け型)ほど、放熱性が低いプラグと言えます。

具体的なセッティングですが、プラグが真っ黒に焼けている様でしたらシリンダー内温度が低目なのであまり熱を逃がさない番数の小さな(焼け型)に変える訳です。

この辺はキャブレタとの関係もあり一概には言えない所でもありますが。

また一般的にサーキット走行等エンジン負荷が大きい場合いには、番数の大きい(冷え型)のプラグを使うようです。

・火花ギャップ

TE-65以降の2T-GEUのプラグは末尾-11なのでプラグの火花ギャップが1.1mm指定です。

末尾がない場合は標準(標準がいくつかは?)となります。

多分2T-GもEFI搭載に伴い点火装置がポイント式からフルトランジスタ式に変更された為、より大きなギャップでも点火が可能になったようです。

点火効率を考えた場合可能な限りこのギャップは広い方が良いようです。

○イリジウム/プラチナプラグ

基本的は外形等は標準プラグと同じですが電極部に特殊な金属(イリジウム/プラチナ)を使っているプラグです。

また電極材質変更に伴い電極サイズ(径)を小さくする事ができ、これによってより強力な火花を発生させる事が出来るようです。

非常に高価なんですが、効果は大きいようです。

点火時期の話し

エンジンは適切なタイミングで点火させる必要があります。

これを点火時期と言います。

吸気した混合気が十分圧縮され、且つ爆発時のエネルギーが十分効率よく出力される必要があります。

具体的にはエンジンの上死点からクランク角度で10度ぐらい過ぎた所に最高圧力点(点線)が来るように点火します。

この時顧慮しなければいけないない項目として燃焼時間の問題があります。

圧縮された混合気にプラグで点火してもすぐに全部の混合気が燃焼して最高圧力点になってはくれません。

そこで実際の点火時期は上死点より若干前で点火する訳です。

低回転(赤い線)ではこれで良いんですけどこのままで高回転(ピンクの線)になってしまうとクランク回転角と圧縮は速くなるんですが、燃焼時間は基本的に変わりません。

その為この高回転時は最高圧力点を過ぎた所で最高点(一転鎖線)がずれてしまいます。

これではパワーが出ません

そこでこのように高回転時には点火時期を早める必要があります。

また実際にはエンジンに掛かる負荷によっても点火時期を調整する必要があります。

最近の車ではこれら点火時期は回転数/アクセル開度等をセンサーで検出しコンピュータにて制御するんですが、当然トレノ君にはそんなハイテクは無いんですが、ちゃんと同じような機構が付いています。

具体的には回転数はデスビの中に遠心力で動くガウバー進角機構で制御し、エンジン負荷に対してはバキューム進角機構とを備え、最適進角の制御をしています。

しかしチューニングされた2T-Gではわざとこの進角機構を無くし固定として、高回転に最適に合わせる場合のあるようです。

ん〜 私のトレノ君はどうしよう・・・