イラン紀行―四都市周遊ー


                                                                     目 次

                                                 1  なぜ今イランか

                                                         初日、2日目  イラン

                                                 3  3日目  ヤズド

                                                 4  4日目  隊商宿  イスファン         

                                                 5  4〜5日目  イスファン

                                                 6  6日目  シラーズ

                                                 7  7日目  ペルセポリス

                                                 8  8〜9日目  テヘラン 帰国

 

1 なぜ今イランか

 イスラエルに旅したとき、パスポートに入国の検印をしてもらわないほうが良いと聞いた。何故か、イランなど中東に旅行するときややこしいことが起こるから。

 悪の枢軸、中東の火薬庫、従属と反逆の国などイランには良いイメージはない。核問題で米国、EUの経済制裁が続き、イランの通貨リアルの実勢レートは公定レートの何と三分の一にまで暴落した。

 イランの原油・天然ガスに次ぐ国家的プロジェクトの自動車産業はEUの制裁で貿易決済がうまくできず部品の輸入が滞っている。提携先のフランス、プジョーの経営状況も思わしくないらしい。イランの組立工場は大幅減産に見舞われている。工員のレイオフ、部品メーカーの操業も減産体制、おかげでテヘラン街中は人が溢れ出ているとか。

 イラン大統領が米国に制裁解除の陳情に行くが、米国大統領選挙を控えて良い返事が期待できるのか、それは心許ない。

 今年はペルシャからイランに国名変更77年目、小生も喜寿では体力は落ちてきた、杖をついている女房を伴っては無理な旅はできない。2週間のツアーはとても無理、9日間のツアーでペルシヤの実情を現地・現物で確かめたい。

 最初はW社で行く予定で申込金を払ったが、定員割れで催行不能になった。急遽U社に鞍替えした、ただし折畳車椅子は断られた。昨年アイルランドにW社のツアーで出かけたときは良かったのに、まあ致し方ない。

「魅惑のペルシャ4都市周遊9日間」 20121013日発

 W社は「華麗なるペルシャの旅10日間」と内容は似たようなもの。ただフライトは違う。イラン航空には成田―テヘランの直行便があるが、北京とかソウルを経由している。乗り換えがないので楽だが、W社はエティハド航空、U社はエミレーツ航空を利用している。何でも飛行機は新しい、機内で酒は飲める、サービスが良いとか。

 ドバイは人口220万人、アラブ人よりインド系の人が多い。石油に依存してはおれない、経済特区を作り中東の金融大国を目指した。林立する高層ビルは不動産バブルに会うもののしたたかに経済成長を遂げている。目と鼻の先のイランとは国境問題を抱えていても、お互いそれに触れず経済を優先している。エミレーツ航空は操業1985年、国威をかけて世界にネットワークを構築、航空業界ではサービス優良で表彰されている。航空業界は不景気、不毛だがエミレーツ航空は健闘している、立派なものだ。

 参加者は19名、夫婦二組、単身男性6名、単身女性9名。今までのツアーでは参加者の半分は夫婦であった、また単身女性が男性の5割増しとは驚いた。女性上位のツアーである、一期一会にしても何故イランのツアーは女性が多いのか興味があった。女性のほうが高学歴、高収入、知識欲旺盛の人が多いように思えた。名前で調べたら有名病院の女医、女子大の先生が出てきた。男性では都市計画の公務員もいた。現役の人は検索できるが退役した人は分からない、それにしてもキャリアのあるハイブラウの人達に違いない。

単身の男性は独身と思いきや、奥さんとは趣味が違う、スケジュールが合わないから一人で来ている人が多い。単身の女性は夫に先立たれた人もいるが、夫が多忙、公職に就いた、加齢で疲れるから海外旅行は嫌だというので一人で来た人が多い。

昔に比べて何と時代が違うものよ、夫婦でありながら一人旅などできなかったなあ。

 

                                                                                      作品目録に戻る