バ ラ 祭 り


 

     4 ヒサール〜カルロヴァ〜ヴェリコタルノボ バラ祭り

 8時に出発バラ祭りに行く。カザンラクがバラ祭りでは有名だが、とにかく混む。そこで近くのカルロヴァのバラ祭りを見ることになった。バスの駐車場の隣がバラ畑、何組かの民族衣装のフォルクローレが迎えてくれる。朝早くバラは摘むものだそうだ、袋をもらいバラ畑に入る。棘があるから注意して、バラを摘み袋に一杯になった。男性族は余りバラには関心がなさそう、女性陣は熱心に摘んでいた。バラ一輪ではそれほどの香りはないが、袋に入れたバラの匂いを嗅ぐと強烈な芳香が顔を覆う。畑の隣でバラの女王の戴冠式をしていた。ヴィデオを撮るとにっこりと微笑んでくれる、カメラにも一緒に並んでポーズ、サービス精神満点で嫌みのない素朴さが際立っていた。

 市内中心部でパレードとセレモニーがあった。女学生が主体の踊り、伝統を見せてくれる。バトンガールはここ数年のもの、初々しいがぎこちなかった、日本のバトンガールと比較しては気の毒だが。市長がバラの女王と食事して遅れると放送がある。あまり反応はない。市長のスピーチの拍手は少ないが、バラの女王のスピーチはたどたどしいが万雷の拍手である。

 バラの蒸留所でバラ水のできる工程を見学、原始的なものである。バラのジャムとかリキュールを試飲した、それほど旨いものではなかった。

 カザンラクに移動して、バラ博物館やトラキア人の墓などを見た。紀元前のフレスコ画が再現されているレプリカがあった。

 バスはカザンラクからバルカン山脈をこえてヴェリコタルノブまで山岳ドライブ。それほどカーブも気にならなかった。

 バスは市街地の職人街近くのホテルに到着、一行はバスを降りてホテルに入った。その時狭い通路を歩いていた女房は小さなショルダーのジッパーを開けられそうになった。後ろにいたT婦人が「何をしているの」と言ったら、中学生風のガキがT婦人の頬をひっぱたいて逃げた。奥さんの声を聴いて何事か分からないが旦那が掴まえた。必死にもがいて逃げようとするガキを見て、奥さんは御主人に「離してやりなさいよ、何をするかもしれないから」。旦那は渋々逃がした。

 女房は全然知らなかった。T婦人に言われて初めて3分の1ジッパーが開いていたことに気付いた。何も盗まれていなかった。小銭入れはトイレ用の金しか入っていない、デジカメは無事で喜んでいた。杖をついている女房はガキに狙われた、かねがねパスポートなど貴重品は亭主が預かっている。スリ未遂事件にしても亭主が気を付けなかったことは責められても致し方ない。公道でなくホテル内の事件で警察はこない、添乗員はご迷惑をかけたと夕食の席でワインを全員に振舞う。

 事件の当事者の亭主としてワインはほろ苦かった。頬を殴られたT婦人に平謝り、ご夫妻ともども「怪我がなくてよかった」と逆に慰められた。二人連れのガキがツアーの中に入り込み、一人が後ろを向いて歩きながら監視、一人が犯行におよんだらしい。日本人はあまり騒がない、金持ち、抵抗しないから狙われる。そうは言うものの、T婦人が言うように刃物を持ってるかもしれない、転んだら怪我もする、今回は不幸中の幸いであった。

 ホテルで摘んだバラを絨毯の上に干したら室内に香りが満ちて良かった。バスに入れたら至福の匂いで最高とか。しかし大半の人は袋に入れたまま帰国した、惨めなバラの花に変わり一部にカビが生えてきた。

       
      民族衣装で出迎え 男性陣     民族衣装で出迎え 女性陣     カルロヴォのバラ畑 香水用の栽培バラ
       
      カルロヴォのバラ祭り会場 女王入場式     バラ祭り会場 民族踊り     バラ祭り女王  宣誓スピーチ

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