喜寿を生きるー人生私流ー 本文へジャンプ
          徒然なる思い・近況報告
2011年後期及び2012年前期は左記をクリックしてください。


  真宗物語を出版
 親鸞の物語小説に浅学非才の身で挑戦した。親鸞七五〇回忌、娘の7回忌の年に出版にこぎつけた。6月初旬には店頭に並ぶ。資料不足は否めない、時代考証もままならない、。それでもよくも書くもの、遺憾の極みと怒られそうだが、そこは喜寿を迎える老骨のロマンとしてご海容いただきたい。
 中身はこちらへ  柴浦雅爾 「真宗は一日にして成らずー親鸞と覚如・存覚ー」
   棋水会 対 FF会 囲碁交流会
 囲碁同好会の交流戦が東京駅近くの碁会所で行われた。末席で参加した。
対局は3局、時間45分、対局時計で時間切れは負け。双方15名、段位をもとに予め組み合わせが決まっていた。8段クラスから初段までシニアーの棋士が熱戦を展開した、FF会の方が勝率が良い、3戦全勝の人が二人いた。
 生まれて初めて対局時計を使った。右手で碁石を打ち、左手で時計のボタンを押したら、マナー違反とか言われた。初段同志は勝ったが、4目置いたお二方には完敗した。時間が余るので2局打って貰った。学生時代から囲碁をしているとのこと、強い、歯が立たない。ヘボなのに時計のボタンを押さねばならない、慣れるまでに時間がかかる。
対局終了後簡単な打ち上げがビールとコーヒーであった。水曜の午後のひととき有意義な時間が過ごせた。棋水会の幹事の方には多謝あるのみ。

  
ラジオ深夜便「明日への言葉」 「わが人生の出会い、そして別れ」
 うとうとしながら深夜便を聞いていた。鍋など所帯道具を持って男の安アパートに駆け込んだ。これは昭和の与謝野晶子かなと思ったら、違った。三木卓氏が妻の福井桂子女史のことを語っていた。書店には「K]なる本が山積みになっていた。桂子との出会いと別れが書いてある。伴侶との別れを書いた、城山三郎「そうか、もう君はいないのか」 垣添忠生「最愛の妻の死を乗り越えて」  津村節子「紅梅」などに比べると失礼ながら感動はない。詩人同士で25歳で結婚して47年というが、そのうち40年は別居生活だった。「僕は彼女のことはよく分からなかった」には驚いた、詩人で作家である、人間心理を抉り、それを謳うのが商売なのに。
 夫婦とも詩人、創作活動に勤しみたい、別居のほうが効率が良いのはよく分かる。しかし中高年になったときなど、「妻は夫をいたわりつ〜、夫は妻に慕いつつ〜」が大切ではなかろうか。壺坂霊験紀、浪花節、古いなあと言わないこと。それがあれば夫が59歳で心筋梗塞になった、妻を大腸癌で看取るのは防げたかもしれない。
 氏とは同じ昭和10年生まれだが、私なら愛の鞭を振るうか、三行半を突きつけたかもしれない。今様なら坂東真理子「女性の品格」を読めと言ったかも、火に油かな。
オールドシニアーは、老いも若きも「修身斉家」を実践躬行してもらいたいと思う。

   東京電力株主総会に出席して
 代々木体育館で株主総会とは驚いた。警備員の持ち物検査がある、TV局にマイクを向けられた「何を期待されていますか」「期待していない」と答えた。1階、2階の席含めて1万2千人は入るところに4千人、まばらな着席で総会は始まった。
 マスコミの報道は面白おかしく伝える、過剰で偏向しているきらいがある。動議・質問などは想定の範囲内、老齢な議長の巧みな手綱さばきに軍配が上がる。
 東電、関電の社史を読み込んで、昨年WEBに載せた。「未曽有の地震・津波・原発事故に想う」では体質の違いに言及した。東電は東大法学部閥、「普通の会社になろう」「兜町を見て仕事をしよう」が社長方針。関電は京大工学部閥、デミング賞受賞会社らしく社長の方針は「安全を守る、それは私の使命、我が社の使命」と極めて明快。スリースマイルアイランド、チェルノブイリの事故の対する両社の対応も月と鼈。全社的な体質改善、トップの危機管理、原発現場への権限委譲など質問しようと思ったが、その雰囲気にはないのは遺憾の極み。
 大半の質問は個人株主のガス抜き?感情的、低レベルである。最近の株主総会は個人株主対策もありお土産付きで参加者が増えて御同慶の至りだが、質問には辟易する、簡にして要を得ることに配慮してもらいたいものだ。
 72歳の議長が5時間半の独演とは、同情を禁じ得ないが、失礼を顧みず進呈したい言葉がある。別子銅山中興の祖、伊庭貞剛が言っている
「事業の進歩発展に最も害するものは、青年の過失でなくして、老人の跋扈である」

   大学同期囲碁の会―西・奥秩父
 幹事の肝煎りで西秩父で囲碁の会が行われた。名古屋から3名、囲碁をしない人も2名いる。年々参加者は少なくなる、体に故障を抱えた人が多い、それでも参加する人には敬服する。
 車で行き、川の博物館を見た。埼玉が県の面積に占める川の割合が3.9%、荒川の幅が広い所で2.5kmが日本一とは知らなかった。暴れん坊の利根川、荒川の治水事業が武蔵の開発に貢献したことがよく分かった。世界の運河、日本の運河の歴史は勉強になった。惜しむらくは、この施設は閑散としている、名物の水車も止まっていた。
 囲碁は高段者、低段者の総当たり戦、一番ヘボだが3勝2敗であつた。この旅館は囲碁の施設が揃っている、温泉の壁にまで詰碁が掲げられていた。
 翌日は車3台で三峯神社に参拝した。標高1100mは下界と5度も違い涼しかった。極彩色の彫刻の拝殿に驚く、今でも関東近辺の三峯講の崇敬者が多いのには感心した、100万円単位の寄進札がずらりと並ぶのは盛観である。
 ケーブルカーもなくなり、車・バス以外では登れないのは時代の流れか?

   長距離ドライブでお寺巡り
 
ラジオ深夜便の「歌の旅人ー富山ー」を聞いていて驚いた。
五木寛之さんは富山には歌の話題が少ないのか、砺波の瑞泉寺を誉め上げていた。辺鄙なところにあり行ったことはない。北陸のお寺巡り、吉崎御坊も見たい。湖西、湖東の蓮如旧跡寺院も見ていない。幸い高速道路は新東名、新名神、北陸道、東海北陸道は整備されている。夏休前の空いているとき、3泊4日 1500kmの旅に出かけた。
 瑞泉寺では虫干しを兼ねて宝物展示をしていた。親鸞聖人正統伝、正明伝など現物を見ることができた。百姓の持ちたる国越中、一向一揆の拠点寺院、井波寺内町は豪壮な寺院建築を含めて真宗王国の片鱗が今でも窺えた。
 蓮如上人記念館で真筆名号が歳とともに筆跡が違うのを初めて見た。吉崎の小山に登り、よくもここに540年前寺を建て、参詣者が群集したものよと感慨にふける。
 本願寺破却で堅田、金森で過ごした蓮如上人の旧跡を訪れた。今は寂しいな。
新東名は素晴らしい、トンネルは多いが照明にすぐれている、老年でも運転しやすい。
詳細はこちらにどうぞ「喜寿のお寺巡り
   
   認知機能検査・高齢者講習
75歳以上の免許証更新には70〜74歳の高齢者講習に認知機能検査が追加された。
6千円支払い3時間受講してきた。
 日時を覚えているか、16のイラストを見てどれだけ覚えているか、時計の針が描けるかなどの検査が30分。
成績は満点で認知症ではない。
 視力検査を受けた。動体・夜間視力検査では静止視力が0.8、動体視力が0.3。75歳以上の中ではやや優れるが30〜59歳に比較するとやや劣る。夜間視力は0.6、75歳以上の中では優れているが、30〜59歳では普通である。視野測定検査は両眼190°で成績良好問題なし。
 運転適性検査では選択反応が同年代では普通、若い人に比べるとやや劣る。注意配分・複数作業では同年代ではやや優れているが、若い人に比べるとやや劣るらしい。
 実車運転行動診断では、カーブでは速度を落とすこと、一時停止では確実に止まることと指摘を受けた。8人のメンバーの中で車庫入れを3回やり直す人がいたのに驚く。
 加齢で機能は劣化する、それを知る意味では良かった。しかし認知症のテストは本格的だが、その結果と運転適性にそれほど強い相関があるのかどうか分からない。田舎の独居老人は車がなければ生活できない、検査・診断以外にやることはないのかな。

   囲碁同好会熱海合宿研修
 恒例の研修会に参加した。先生二人、会員17名、毎年参加者は少なくなる。先生との指導碁、4人打ち、5目では早々と中押し負け。リーグ戦は今年は高段者と低段者の混合グループ。日頃お手合わせ願えない高段者と対戦できるのは冥利につきる。2勝5敗だが面白かった。夕飯は飲み放題、食べ放題である、健啖家が多いのに驚く。
 棋譜解説は高段者に好評であった、低段者でも成程と思うこともあった。布石、中盤に研究熱心な会員から質問が飛ぶ、凄い勉強家がいるもの。末席を汚す会員だが温泉につかり愉しい一時を過ごせてリフレッシュ出来た、幹事諸氏に多謝あるのみ。


   TQC OB会
 恒例のOB会が名古屋で行われた。参加者は22名、欠席の連絡は12名、音信不通が増えてきた。それにしても6年間よくも続くと感心する。今年は工販合併30周年、その前年から販売のQCは始まった。今や世界のトヨタだが当時は想像もできなかった。TQCはその礎になったのだと意気軒昂なもの、皆に会えて元気をもらうものいろいろだ。女性陣が10名いるのもOB会では珍しい、彩りを添えている。

   トヨタ同期会 
 喜寿の同期会にしては盛会。物故者24%だが出席は5割を超す。しかし一組になったゴルフは来年は中止かも。病と孫の話はタブーだったが、全員のスピーチは病が多い。
小椋佳の七五調「惜春会」の替歌である。

兎にも角にも 健やかで  また逢えたことを 悦ぼう
年に一度の 同期会   特に話題はなかろうと

友の訃報が また一つ   風に飛ぶ花 散る桜
残る桜も 散る桜  ふと親鸞が 浮かび出る

   「日産自動車の盛衰」 塩路一郎著
 
この本は労作である、なぜもっと前に書き溜めたものを出版しなかったか?生存者に配慮した?塩路労働貴族のイメージがマスコミで創られたことが分かった。それにしても社長と労連会長のバトルはいただけない。自分史では自己満足にならないよう、反省点が書かれなければならない。GM凋落の原因の一つはUAWである、それに関して何も書いていない。労連の定年延長は組合員と同じで許されない、経営者と対抗するために自分の定年延長を画策するのは傲慢である。職場先輩の故梅村さんが否決の緊急動議を出したのは当然である。銀座のホステス連中をヨットに載せて、会社広報の下請けに写真を撮られたり、フォーカスの餌食になるのは労連会長としてガードが極めて甘い。日産凋落は石原社長の海外戦略の失敗であることは確かにしても、組合の責任もあるのではないか。それにしても会社側,組合側の関係者はどのような思いで事態を見つめていたのであろうか、全日産社員の心情はいかばかりか、胸が痛む。
 イラン・イラク戦争の時JAL労働組合は在留邦人チャーター機を飛ばすのを断った。見てはおれない、トルコ航空が200人の邦人を運んでくれた。愛国心、愛社精神に乏しい労働組合に引きずられたJALはやがて凋落した。


   イラン4大都市周遊
 イスラエルに行ってイランに行かないのは片手落ち。杖をついた妻を伴ない周遊してきた。核開発疑惑で欧米の制裁を受けて、超インフレだが観光地は賑わっていた。トルコ人も親日だが、イラン人はそれを上回る。やたら声をかけられ被写体にされるのは生まれて始めてである。
 小型乗用車が縦列駐車、車のマナーは悪い、排ガスで空気が汚れている。それはあまり気にしないイラニアン。悪の枢軸、中東の火薬庫、従属と反逆の国と言われるが、したたかな国民性には平和ボケした日本人は敬意を表したい。そのうち中東の盟主になるかもしれない。
紀行文は「イラン紀行ー四都市周遊ー」をどうぞ。

   大学同期会
 恒例の同期会が行われた。幹事が御執心で出席率50%は良いほうだろう。病気の話、墓の話でもちきりであった。前向きの話、心のアンチエイジングの話題の方が良い。運動とか栄養の話は聞き飽きた。この会は銀行、証券など金融出身者が多く、メーカー出身者は少ない。以前海外ツアーで一緒になった人と銀行とメーカーと死亡率が違う、高度成長期を担い苦労したがなぜ差が出るかと話したことがあった。
 銀行員は準公務員並みでそれほどストレスはない、リストラもない、給与、年金は恵まれている。メーカーはそれに比べると比較劣位である。喜寿の同期会で多いのは3割、平均2割は鬼籍に入っている。この会は5%で御同慶の至りだが、なぜかメーカー出身者の訃報が多い。これを話題にしたら、座が白けた。
 「残る桜も散る桜」 カラオケで謳い喜色満面の連中と同じ、同期会で人が聞こうと聞かまいと喋る連中は長寿?いや「兎にも角にも健やかで合えたことを悦ぼう」かも。

   佐藤正明著 「日産その栄光と屈辱」
 
一読してがっかりした。タイトルとは違い羊頭狗肉である。日産の栄光は何も書いていない、屈辱とは何を言うのか、ルノーの傘下に入ったことか? 塩路労連会長の賛歌であり、石原社長経営者失格の烙印が主要テーマ。それにしてもなぜ今頃出版するのかな? 石原さんは日産社員が長らく待ち望んだトップであった、これだけ悪しざまに書かれては関係者の読む意欲は萎える、良い所もあったのではないか?
 著者は新聞記者である。往時石原社長がそれほど問題であれば、なぜ経営責任を追及しなかったのか? 潤沢な広告宣伝費、多額の交際費に痺れて、石原節が唸ると聞き惚れていたのかな。新聞は社会の木鐸である、日経だけでない他紙も含めて散々と石原社長を謳歌していたのに、今になって日産凋落の戦犯扱い、それはないでしょう。
 著者は紹介でこの本は「大きな反響を呼ぶだろう」と書いている。相当の自信作であろう。しかし記者として実名で取材の舞台裏を書くのは如何なものか、鬼籍に入った人は物を言えない。生存していても記者相手では有名税として諦める。今までノンフィクションで訴訟沙汰はないと嘯く、その心胆には寒々としたものを覚える。

   造影剤使用CT検査
 人間ドックで腹部CT検査を勧められた。体調も悪い、知人に膵臓がんが多い。
 腹部超音波では肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓を見るが、超音波は空気が多いとエコーしない、胃の後ろにある膵臓は影像不詳になりやすい。膵頭・尾部は今までも不詳だが、ドックに掛かっているのに膵臓がんとはと言うクレームが多いことから今年からCT検査を薦めるように病院の方針変更があった。
 日本は世界一のCT検査台数で医療費も高い、被曝量も多いのは問題と思ったが受診してみた。T社の最新16列マルチスライスはコンパクトなCTである。ヨード造影剤100ccを静脈注射して約20分間台上で寝ていた。体のホテリもない、副作用はなかったが生理食塩水100cc点滴に時間がかかった。
 ドクターが、前、注入中、注入後の3セットの鮮明な画像写真を前に説明してくれた。膵臓は問題なし、右腎膿胞は4cmだが問題ない、できるだけ水を飲むこと。肝臓・胆嚢・脾臓も問題ない。動脈血管に硬化が一部あるが年の割には少ないとか。
 会計は3千円、検査を受けてよかった、身も心も軽やかになった。

   下肢静脈瘤造影検査
 9年前下肢静脈瘤手術を受けた女房に付き合った。昨年造影検査で血栓が見つかりそのときドクターから肺塞栓になるかもと注意を受けていた。今年は手術を受けたMM先生に診断をお願いし同伴した。「まだ小さい、大丈夫、年に一度検査しなさい」「いたずらに心配する方が体に悪い」 女房のくどい質問に破顔大笑された。先生により診たてが違うのに驚くが、人により法を説く先生は名医の誉れ高い。。
 待合室で車椅子の女性から言われた。「御主人、奥様が胸が苦しいときには早く救急車を呼んでください。救急士に肺塞栓の疑いと言ってください」 
 聞けば昨年下肢静脈瘤をほっておいて、血栓が肺と心臓の間に溜まり救急病院に担ぎ込まれた。即入院手術2週間、いまは一命を取り留め元気とのこと。迫力ある体験談には感銘を受けた。
 それにしても地域共済病院は爺婆で混雑、駐車場に入るのに25分、診察が予約時間から遅れること90分、診察後の会計処理が20分、一日仕事。杖、車椅子は驚かないが来院している人の顔色、手の色、歩き方と速さなどに明日は我が身と自戒する。
 
    囲碁同好会忘年囲碁
 20名が集まり高段者と低段者に分かれて3局ずつ打つ。1局90分の時間制限だがほとんど1時間以内で終わった。棋譜解説の後中華料理屋で忘年会。冒頭のあいさつで塾頭から来年入院と聞かされて、健康問題が話題になる。思いがけなく拙著が紹介され真宗などについて話をした。高齢者の同好会活動は加齢で組織の維持が難しいが、来年も盛会を祈るのみ。

    大木島巌さん逝く
 入社同期の畏友大木島さんの訃報が報じられる。イランから10月に絵葉書を出したら達筆の礼状が届いたのに信じられない。自分史とか親鸞の本の出版については特段の激励を貰ったのに、「大木島巌さんを悼む」
 同期の出世頭である、工販合併後も海外部門を担当し副社長、その後も日野自動車、小糸製作所の会長を歴任、さらに三菱UFJ銀行取締役頭取指名委員長と身も心も休まる暇はなかったであろう。
 2年上の磯村さんも膵臓癌だった、奇しくも二人は入社時人事部を振り出しに合併後販売部門で重責を担い副社長まで昇進した、過酷なストレスがDNAを直撃したのかも。
 同期会の華が身罷った、残る桜も散る桜、ご冥福を祈るや切なるものがある。