米寿に向かうー人生私流ー 本文へジャンプ
             2016年前期
  「三河の風」   外山滋比古著
 西三河の「ふるさと西尾市民」でひと回り上の英文学者、大先輩の著作とは驚いた。三河人の性格を言い当ててはいる。戦前は三河にいて故郷を想い風土をエセーとして書いたみたい。自由気儘に生きた自分史でもある。ただ東京から俯瞰したもの、やや違和感がある。三河には一向一揆とか風土に影響を与えたものがあるがそれらには触れていない。寺津町の昔は松平家由緒ある土地、真宗は少なく浄土宗、曹洞宗、日蓮宗が多かったのかな?
 志賀重昴の「三河男子歌」にある「三河の男児すべからく奮起すべし」とか、物理学者の本多光太郎、「人生劇場」の尾崎士郎などの方が身近に感じる。

   世界遺産
 文春2月号に「その世界遺産いりますか?」として富岡製糸場を再考するルポを読んだ。かねがね日本人の世界遺産存尊崇には疑問を抱いていた。故郷再生は良いが、本当にそれが価値があるのか、住民に喜ばれるのか首をかしげるものが多い。欧州の世界遺産をいろいろ見たが、感動を覚えるものが多い。日本はどうかな?
 10年前か、生糸について調べたことがある。富岡製糸場が世界遺産とは信じられなかった。やや古いが「考証 信州諏訪の生糸世界一の分析」をどうぞ。

   88人「最後の言葉」
 文春3月号の特集を読んだ。人は最後に何を残すか、人それぞれ味わいの多い遺言に感心した。ショックだったのは「しんで、おわびいたします」。20年前西尾市の中3の遺書。4人から虐められ、大金を毟り取られていたのに遺書の中で「僕からお金をとっていた人たちを責めないでください」。何と心優しいのか、因果応報、「目には目を、歯には歯を」が当たり前なのに。「仏心」に救われる。
 「あなたひとりを数う」河野裕子歌人の辞世の句には心打たれる。長男・長女も歌人で心配いらない、歌人の旦那に長生きをして欲しいと謳ったのかも。夫婦は一世、子供は二世かな?
 追伸 「三人の卓子」に投稿したら4月号に「日本人なら和歌を」として掲載された。発売日に記念品として図書券3千円が贈られてきた。

   傘寿も喜べない
 80歳になると海外旅行は一筆書かされる、保険料は高くなるとは知っていた。しかし国内で悲哀をかこつとは思わなかった。証券会社店頭で課長に外国株を購入依頼した。副店長が現れ血相を変えて
「コレは貴方が選んだのか」。「エー、どういう意味ですか」「当社が奨めたのではないのか」。モノを頼んで詰問されたのは初めて、営業マンのやることではない。
 金融庁の指示?で外国株は80歳以上、原則取引禁止。やるなら上司の許可と売買は二人で行うこととの内規らしい。アベノミクスで預金から証券にシフトさせたいのに営業現場では、このていたらく。金融不祥事で「羹に懲りて膾を吹く」のかな。

   こいつぁ春から縁起がいいわぇ
年賀状で二等賞、何時も切手で生まれて初めてだ。名古屋のきしめんを頼む。
潜血反応で大腸内視鏡検査を受ける。4個のポリープ、内1個は切除した、生検の結果は癌ではなく腺腫。潜血反応がなくても年1回の内視鏡の検査が望ましいと御託。米国では大腸癌の手術より内視鏡検査ポリープ切除のほうが費用が安いし、QOLの面からも奨められるみたい。日本は大腸癌が胃癌をその内上回るらしい。
まぁ、年初からお目出度いと思うべきかも。

   傘寿祝い   
 娘婿の企画でかんざんじ荘で祝って貰った。浜松市の国民宿舎から10年前遠鉄グループ入りして蘇った眺めの良いホテル。ケーブルカーに乗り、華咲の湯に入る。25カ所の湯があるがその内10数カ所の湯につかる。湯疲れした、その上孫と卓球して疲労困ばい。ホテルの食事の席で記念品を貰う。散々飲み食いして風呂に入った後孫が肩を揉む。翌日はオルゴールミュージアムで70点のオルゴールを見て音色に心を癒す。舘山寺と聖観世音菩薩像は急な山の上できつかった。米寿まで頑張ってと言われてその気になる、傘寿祝いは幸せ、感謝また感謝である。

   準皆勤賞授与
 小6の孫が1日休んだため卒業式に皆勤賞が授与されなかった。聞けば卒業式の皆勤賞は一人もいない、しかも1日休んだのは孫だけという。昔の卒業式は何人かいたはず、時代の移り変わりを感ずる。一念発起パソコンで準皆勤賞の表彰状を作成、傘寿祝いの席で表彰し、記念品を授与。ホテルで皆が食事中のセレモニー、何事かと好奇な目が注がれた。傘寿祝いと準皆勤賞授与は 珍しい出来事かも。

   「ラジオ体操は65歳以上には向かない」 戸田佳孝著
 年寄りはラジオ体操なんて良くないと知人が言う。わけを聞いてこの本を読んだ。内容は真っ当だが本の題名は誤解を与える。医者は科学者でもある、65歳以上ラジオ体操するなと言う証明はされていない。売らんがためのタイトルとはね,。私は80歳、TV体操は30年、早朝ウオーキングは20年継続している。膝関節炎、脊柱管狭窄、胸椎、脊椎など整形外科医の世話になり、今も老人性骨粗鬆症と脅かされている。80歳から脚力が衰えてきた、筋トレの意義はよく分かる。しかしラジオ体操を目の敵にするのではなく、それよりもロコモ総合対策の方が重要でしょう。

   上野裕也先生を偲ぶ会
 名古屋大学経済学部時代のゼミ生が138名。名古屋と東京で先生を囲む会「祐交会」が定期的に開かれていた。本年2月末89歳で亡くなられ家族葬が行われた。東京祐交会の例会は偲ぶ会になった。黙祷、御霊前への奥様の礼状紹介などとともに、会員が先生の思い出を語り、人間上野裕也先生を改めて知り感慨深い偲ぶ会になった。
 「上野裕也先生を偲んで」という冊子も出来た。22名が先生の思い出を寄稿している。
浄土で先生は喜ばれていることでしょう。
 それにしても長命な先生の先に亡くなったゼミ生20名、東京祐交会の死亡率24%、名古屋祐交会11%、東京勤務の人は激務だったかも?
 先生は「名古屋に過ぎたるものが二つある、徳川美術館と上野ゼミ生」とのこと。
奥様から亡くなってからも偲んでもらって感謝感激と冊子のお礼があり、90歳になったらゼミ生にプレゼントしたいと10年間蒐集された若沖の絵葉書が配られた。師弟愛ここにあり、ゼミ生こそ感謝感激である。

   ケーブルTV工事でネット回線不通
 我がマンションにケーブルTVを導入することになった。突然ネットもメールも使えない。エクスプローラーの指示に従い悪戦苦闘するも、最後はプロバイダーに電話されたしとのご託気、されど夜中に電話は通じない。事前にケーブルTV工事の行程表が配布されていれば、回線損傷に気づいたはず。
 ネット通販、デイトレードなど夜間のオンラインは増加の一途。一昔前はCATVの事故は多かったが最近は少なくなったと聞いていた。しかし現実には導入調査で回線損傷するとは信じられない。お客の安全・安心、お客様満足度に気配りするケーブル会社一丸の尽力を期待したい。

   ルノワール展 国立新美術館
 N社の抽選で当たったので出かけた。国立新美術館は初めてだが良い環境下にある黒川紀章設計。有名なムーラン・ド・ラ・ギャレット、田舎のダンス、都会のダンスなど身近にゆっくり鑑賞できた。日本でこれほど空いていた展覧会は初めて。
13年前にオルセー美術館で見ていらいルノアール作品を堪能した。点数は別にして解説とか展示は優れている。天井高が5m、展示の途中にトイレがあるのも良い。ショップで復刻画を売っていた、10万円くらい。最近の技術の進歩に驚く。

   多形浸出性紅斑に罹る
 腰痛で整形外科に通っていたが、発疹がある。ついでに診てもらったら帯状疱疹とのこと。以前も良い薬があるとのことで1週間で帯状疱疹は治った。今回は様子が違う、皮膚科に駆け込んだ。S先生は携帯で地域拠点病院のY先生に電話する。入院かもしれないと紹介状を渡され病院に急ぐ。Y先生は丁寧に全身を診る、入院はしなくても良いが安静にしていること、副腎皮質ホルモン・ステロイド剤を飲むから風邪など感染症に気をつけること。快復が遅い、歳だな、参った。
よろしければ「傘寿の多形浸出性紅斑体験記」をどうぞ。

   「学力」の経済学  中室牧子著
 教育をデータで検証する重要性を説いているのはその通り。教育に実験が必要というが戦後中学が実験学校に指定された。親の職業が農家、非農家、商家と層別され先生は3年間変わらず。抽選で附属中学に入学したもの、入学出来なかったものの学力を高校で判定した。高一では附属卒業生がダントツだが、高三では変わらない、本人のやる気が重要と後日先生から教えて貰った。米国の指導もあったと思うが、実験はやられていた。その実験体制をコケにしたのは文部省と日教組かな?